胸骨圧迫という用語について
こんにちは。日本医療向上研究所の貞廣です。
第六回目となります「心肺蘇生四方山話」。
これまで「胸骨圧迫と人工呼吸の最適な比率」「胸骨圧迫はなぜ30回続けるのか」「人工呼吸は なぜ1秒なのか?」「人工呼吸の際に入れる空気(酸素)の量は?」「人工呼吸の際に最も気をつけることは?」と5回に渡ってお伝えしてきました。
今回から「胸骨圧迫」に話を移してまいります。
心肺蘇生四方山話 第六回
―胸骨圧迫という用語について―
そもそも胸骨圧迫という用語に慣れていない方もいるかもしれません。
もともとは心臓マッサージという言葉が使われていましたが、実際にやっていることは読んで字の如く心臓をマッサージしているのか、と言われるとそうではないため、より適切な表現として2005年の心肺蘇生のガイドラインから「胸骨圧迫」という用語が用いられるようになりました。
長年心臓マッサージという用語が用いられてきたため、一般の方はもちろんのこと、医療サイドでもまだきちんと用語が統一されているとは言えない状況ですが、最近のガイドラインでは心臓マッサージという用語は一切出てきません。
まず手を置いている場所は胸骨の上であり、心臓の真上ではありません。胸部のレントゲン写真を思い出してみると、心臓の中心は真ん中よりも体のやや左側にずれていますよね。このため直接押しているのは心臓というよりはむしろ胸骨、ということになります。
また マッサージという言葉のイメージは、なんとなく撫でる、軽く揉む、のような印象を与えることから、しっかりと深く押してもらう、という気持ちを込めて圧迫という言葉に変更されたようです。
次回より質の高い胸骨圧迫、つまり心臓からしっかりとたくさんの血液を全身に向けて押し出すことができ、そして体に害がない方法についてお伝えしていく予定です。お楽しみに。
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